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人手に頼る日本のユニフォーム生産を自動化

ユニフォームについては、比較的生産量が少なく品物ごとに形状が大きく異なることから、日本では自動化が手付かずで、世界に比べ、圧倒的に人の手に依存しており、残念ながら後進国と言わざるを得ない。そこで今回は、お客様工場のユニフォーム生産を自動化し生産性を高める方法を提案する。

日本では生産量の多いフラットリネンについては、自動化・省人化、省エネ、データ活用など新しいソリューションを取り入れ合理化が進み、少ない人員で効率性の高いランドリーが増えている。

しかし、ユニフォーム生産についてはどうだろうか?フラットリネンと比べると生産量が少なく、品物ごとに形状が大きく異なることから、自動化、合理化がほぼ手付かずで、世界基準と比べ、まだ人の手に依存し過ぎている現状がある。投入、入荷仕分けなど、ライン全体を通して人員を多く使い比較的生産性が低く、日本は残念ながら後進国と言わざるを得ない。

この現状を打破し、お客様のユニフォームラインの生産性と収益を高めるためにはどうしたらよいだろうか?

「リネンサプライ工場のあらゆる工程を自動化する」 をビジョンに掲げ、中国、アジアを含む全世界で自動化を推し進めてきたJENSENでは、大・小あらゆる規模に対応するソリューションで、お客様個々のニーズに合わせてユニフォーム生産を自動化し、圧倒的に生産性を高める提案が可能である。

入荷 <ロボットとAIによる入荷仕分け>

特に入荷仕分けには、最適化できる余地が多分にある。現状、手作業で品種仕分け、ポケットチェックを行い、作業員がカートで洗濯工程まで搬送する工場が多い。

一方、JENSENのユニフォームラインでは、ロボットとAIでポケットチェックから品種仕分けを全て自動化できている。THORロボットセパレーター(写真)により時間1500点の高い処理速度で品物を1点ずつ分離し、X線検査機(写真)で異物混入の検査を行い、識別装置でRFIDまたは画像による品種仕分けを連続して全自動で行う。仕分け後は設定重量のバッチを、コンベアやバッグに直接搬送し、人の手を全く介さずに次の洗濯工程に送ることが可能である。

現在入荷仕分けを手作業で行っている場合、この工程を自動化することで、人員の削減ができるのに加え、汚れた洗濯物への接触をなくし、従業員の健康と安全を守ることができるのは大きなメリットだろう。

脱水~仕上げ <乾燥機なし 高性能トンネル仕上げ機で省エネ>

日本の標準的ユニフォームラインで使用されている洗濯脱水機の性能では脱水後の残水率が高いため、トンネル仕上げの前に、予備乾燥の工程を要し、その分全体でのエネルギー消費を押し上げてしまっている。また、予備乾燥での残水率の調整は難しく、次工程のトンネル仕上げ機で過乾燥によるシワを防ぐなど適切な乾燥コントロールに熟練した作業員を要する。このように属人的であるため、人材育成や生産性の観点からも、安定的な生産が難しくなっている。

この工程で、エネルギー消費を大幅に削減できるソリューションを提案したい。JENSENのユニフォームラインでは、高性能遠心脱水機を用いることで、連洗10槽の場合でも残水率20~35%の脱水が可能である。乾燥機を使わず、遠心脱水から直接トンネル仕上げ機への投入を実現しているため、乾燥工程にかかるエネルギーを大幅に削減できる。また、熟練を要する乾燥工程が無いため、工程管理も容易になり人員も削減できる。

トンネル仕上げ機Omega Proは熱を無駄にしない設計により、水分1Lを蒸発させるのに要するエネルギーを1.5kwh程度に抑えている。トンネル仕上げ機ながら、市場にある多くの乾燥機よりも優れた省エネ性能を実現している。Omega Pro生産能力は2槽 800点/時(一般的な機械では600点/時程)、3槽 1,200点/時と槽数を増やすことで増強できる。国内では生産量が多い場合に複数台のトンネル仕上げ機を並列使用することがあるが、客先別バッチの管理などレール側の制御が複雑化する。Omega Proなら1台で大きな生産量にも対応できる。

ハンガー投入~出荷仕分け <Metriconハンガーコンベアシステムによる細分仕分け>

国内でよくみられるハンガーコンベアシステムは、ハンガーの搬送の機能が大部分であり、仕分け・並び替えの作業は多くの人の手に頼っている。並び替えの機能を持たせたシステムも見られるが、RFIDタグ付きの品物にしか対応できていないなど、処理点数や並び替えの精度の面で工場の要求に応えきれていない。仕上げ工程においては、並び替え等に必要な人員に加え、出荷前の品物の保管場所の管理も工場運営には課題となっている。

JENSENのユニフォームラインではMetriconハンガーコンベアシステムが、脱水工程後の衣類の搬送・仕分け・ストック・並び替えを行っている。脱水工程後の衣類は1点ずつ、投入オペレーターによりハンガーにセットされMetriconシステムに入る。衣類は、トンネル仕上げ機を通り、検品・仕分け・並び替え・保管され、必要なタイミングで出荷される。投入・検品以外の工程はMetriconシステムにより自動で行われる。

Metriconはモジュラー設計により、小規模から大規模工場に対応し、納品形態等様々な目的に応じた柔軟な設計が可能である。

たたみ納品は時間600点程の自動たたみ機で処理されることが多い。ここでは、たたみプログラムの切替えや、畳まれた品物の仕分けに人員が必要となっている。

JENSENのユニフォームラインでは改善を重ねた最新の自動たたみ機Foxが使われており、1台で最大1,200点/時の衣類を畳むことができる。処理速度もさることながら、Foxは、品物の種別・サイズを自動認識してたたみプログラムを自動変更でき、Metriconからたたみプログラムの指定をネットワーク経由で読込むこともできる。また、Foxは最大10のスタッカーを備えることができ、たたみ機での品種仕分けを自動で行うことができるため、たたみ機後方は製品コンベアに接続し無人となっている工場が多い。

入口から出口まで 一貫したデータ活用

高性能機械の生産能力を最大限に活用するために、工場全体に渡る品物の流れをいかにコントロールできるかがカギとなる。機械能力に見合った量を投入するために、搬送システムを活用し、適切なタイミングで適切なポイントに品物が流れていることが必須である。

日本の標準的ユニフォームラインでは、工程間でデータ連携されておらず全工程を通した流れのコントロールはできない。結果、ある工程で品物が滞留するなど、機械の生産能力を活かしきれていないケースが多い。

工場の生産性を向上させるために一貫したデータ活用がカギとなる。

JENSENのユニフォームラインでは、入荷から、出荷まで全工程がシステムで連動し、その結果、機械の最大生産能力を活かしきることができる。入荷時のタグ読み取りにより、品物を見える化。出荷までリアルタイムで品物を追跡。Metriconによる1点ずつの並び替えにより、顧客のニーズに合わせて出荷が可能である。

このように、JENSENのシステムを活用することで、ユニフォームラインを自動省人化し、お客様の生産性を大幅に向上できると考えている。

 

次回の記事から、お客様のニーズ、規模に合わせた工場の実例をレイアウトも含め紹介する。

ユニフォーム生産工程比較表:日本 vs 世界標準

<仕上げ>トンネル仕上げ機Omega Pro高生産を実現する乾燥エアフロ― 槽の下部で風速を上げる独自の内部設計で乾燥むらを削減し高速・高品質仕上げ。1槽あたりの参考能力400点/時。槽ごとに温度・風速・空気循環量を個別設定し乾燥プロセスを最適化。

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